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「私は、お主を忘れようと思った。それなのにお主は入学し私のことを兄と呼んで付きまとった」
「・・・ごめん兄さん、俺何も知らなくて」
兄さんが俺よりも何倍も辛い思いをしてきたんだと知り、俺は自分の身勝手さを恥じた。


「しかしな、・・・・・・私は、嬉しかった」

え?なんだって?

「弟が私をまた兄と呼び慕ってくれる。自惚れてはいけないと思って、逆に遠ざけようとした。
だがそれも徒労に終わった。お主は放っておいてはくれなかった。お主は昔からそうだ。やれという事をやらないし、するなという事をしようとする。
私は、また大切なものが出来てしまうことが嫌だった。その意味で、お主を疎ましくも思った。


・・・しかし今回、助けられたのは事実だ」


兄さんの手が、俺の頭の上にゆっくりと置かれる。

「強くなったな、伍葵」
兄さんは、微笑みながら言った。

あの頃と変わらない、優しい手。そして、俺の名前を呼ぶ声。
たまらなくなった。


「兄さんっ!!」
俺は、兄さんに抱きついた。

「またすぐ調子に乗る・・・お主の悪い癖だ。
ま、今日は仕方ないとしよう。見逃してやる」

悪い癖をもった俺をつい甘やかしてしまう悪い癖を、兄さんだって持ってるじゃないか!
・・・なんて言わないけど。
兄さんが戻ってきてくれたみたいで、俺はホントに嬉しかった。



もう離さない、ときつく抱きしめたら、
「そういう事を、お主は女遊びで覚えたのか?」
と、たしなめられた。
否定はしない。けど・・・今のは本気なのにな!俺は悔しくなって、
「そういう兄さんは、女遊びしなかったのかよ?」

「・・・悪いか」
イヤ、怒らせるつもりはないんだけど!ん、ふてくされてるのか?
兄さん、しばらく見ない間に可愛くなった・・・?

「私はそういう事に興味がない。戦うことにすべてを捧げているからな」
ホントに優等生だなぁ・・・。
でも、兄さんが今までに付き合ったことがないと知って、なぜか俺は安心してしまった。
よく判らないけど。



いつまでも、俺の兄さんでいてくれ!
兄さん、大好きだ!


**


おまけ。


「隼斗、お前か!俺が女遊びひどかったっていう話を兄さんに吹き込んだのは!」
「え?そうだけど。何かまずかった?」
「ちょっと待てよ、俺らが兄弟だってはじめから知ってたってことか?」
「諜報班を甘く見ないでほしいな。あ、あの話を滝山先輩にしたのは、滝山先輩が伍葵のことを知りたそうにしてたからだよ」
「兄さんが・・・?」
「そう。他の話も教えてもよかったんだけど。でも安心して!害になりそうな人に、個人情報暴露したりしないから」
「隼斗、お前どこまで知ってんだ・・・?」


こいつだけは、敵に回したくない・・・。
友達ながらそう思った。




おわり。


アトガキ>>
無駄に長くてすみませんでした。でも、入れたい要素は入れたので満足です。何、最後の方の甘さ!!
もっと仲良くさせようかな・・・。段階踏ませないと伍葵が嫌われそうなので、ちゃんと書いていきたいですが!




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